友好的M&Aについて

友好的M&Aとは、譲渡側と譲受側が対等な立場で条件交渉を行い、
事業の引継ぎ後も、関係者全員が、「やって良かった」と思えるようなM&Aのことをいいます。
関係者全員とは、譲渡側の株主や譲受側企業だけではなく、
それぞれの従業員やその家族、取引先、そして取引金融機関等も含みます。

また、「やって良かった」と思えるということとは、「やり方」の問題であることを意味しています。
M&A自体は、企業の合併買収という意味以上でも以下でもありませんので、
やり方によって、友好的になるかどうかが決まることになります。

中小企業のM&Aは友好的なものにしなければならない

中小企業は、経営者・従業員を合せて数人から数十人という規模であることが多く、絶妙のバランスで企業としての価値を作り上げています。そして、それ自体が、譲受側企業にとっての「譲受けたい」「引き継ぎたい」という魅力となっています。

このため、その絶妙のバランスを壊すことなく、将来的にその価値を増大させる方向でM&Aを行わなければなりません。

譲渡側企業の従業員にとって

譲渡側の従業員が、「明るい将来が開けてきた」「今後一層頑張って行きたい」と思えるようにすることが不可欠です。

譲渡側企業の経営者にとって

譲渡側の経営者の役割は大きく、譲渡前における取引先や取引金融機関との良好な関係性は経営者そのものに帰属していることが大半です。
このため、いくらM&Aが成立しても、即時にリタイヤすると十分な引継ぎとならないケースが多いです。
譲渡後も元経営者には、少なくとも一定期間は顧問等として残っていただき、新しい経営陣と取引先や取引金融機関との関係作りなどをお願いすることになります。
全ての引き継ぎを終えた段階で初めて、譲渡側の経営者は「最後の最後まで、大きな責任を果たすことができた」と大きな満足感を得ることができます。

譲り受け側・引き継ぐ側の企業にとって

業容拡大を図る上でM&Aは大きなメリットがありますが、一方ではリスクもあります。最大のリスクとは、「M&Aを完了したら、譲受けた企業の価値が失われてしまった」というものです。
M&Aを友好的に行うということは、絶妙のバランスで成り立っている企業としての価値を壊すことなく引き継ぐことにほかありません。

信用金庫業界は友好的M&Aのやり方のみを行う

信用金庫は地域に根ざした金融機関であり、営業地域は一定の地域に限定されております。
そして、何よりも大切に思っていることは、地域内の中小企業の存続発展であり、地域内において中小企業が存続し、雇用が確保され、M&Aにおいてもその企業が地域において発展し、雇用の増大が図れることを切望しています。
このため、信用金庫(および信用金庫業界の弊社)が行うM&Aは友好的なもの以外にはありえません。

お客様を大切にすることは友好的M&Aとすること

信用金庫にとっては、譲渡側企業だけではなく、従業員や取引先もお客様であることが大半です。また、譲渡側の経営者もハッピーリタイアの後も地元で暮らすことが大半です。
このため、信用金庫にとって、友好的M&Aはお客様や地域を大切にするうえでの大前提となります。

地元の中小企業や雇用が失われることは行わない

外国企業や大企業は、譲渡側の中小企業が有する技術・ノウハウ等のみを欲している可能性があります。中長期的には、地元の雇用が失われるリスクも存します。 このため、外国企業や大企業が譲受側となるM&Aは原則として行いません。例外的に、大企業が譲受側となるケースもありますが、その場合には地域内での企業としての発展や雇用の確保が確信できることが前提です。

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